ここ2年ほどコロナによる外出自粛要請もあり、気軽にぶらぶらと買い物やプチ旅行を楽しむことができずにいた。少しずつ街も賑わい、活気が戻りつつある。そんな街の姿を見ているとなんだか嬉しくなる。
先週、親友がはるばる北国から遊びに来てくれたので、久々の「浅草ぶらり旅」を決行!
昭和レトロな懐かしさを求め、ちょこっとディープな日帰り旅をしてきた。「旅」といっても私の場合、浅草までは「つくばエクスプレス線」で40分で行けるのだが、私にとってはプチ遠出(笑)。
基本的に家にいることが大好きな私。
「大好きな空間」で「大好きなもの」に囲まれ、愛する猫’sと朝から晩まで一緒に過ごす毎日が、私にとっては最高に幸せ。わが家の居心地が良すぎて、庭を除けば一歩も外に出ない日が多いのも考えもの。出かける計画や約束がない限り引きこもり状態になってしまうので、外に連れ出してもらえるのはありがたい!
今回のプチ旅のテーマは、「思い出」「懐かしい」「昭和」「レトロ」がキーワード。セピア色が似合う空間でゆっくりと時間が過ぎて行く、懐かしさに浸れる大満足の旅になった。このブログの読者の皆さんにもちょっとだけ、ご紹介したいと思う。
セピア色が似合う浅草の「レトロ喫茶」
つくばエクスプレス線の浅草駅A1出口から徒歩で約2分。賑やかな大通りから一歩だけ左の路地へ。喧騒を逃れるように折れた細い路地に、ひっそりと佇む喫茶店「珈琲 アロマ」。背の低い扉の向こうは、木製のカウンターだけの小さなお店。タイムスリップしたかのような錯覚を覚える、初めてなのにどこか懐かしい空間がそこにあった。
珈琲 アロマ
店内には年配の女性が二人、お店の名物と思しきトーストを頬張り、朝から上機嫌にお喋りを愉しんでいた。もくもくとコーヒーを淹れ、無口ながらも人柄の良さを感じるマスターがひとり、カウンターの内側でせっせと動いている。平和な光景を眺めつつ、カウンターの一番奥に座った。
私はアイスコーヒー、親友のS氏はレモンスカッシュを注文。
アイスコーヒーは甘いシロップ入りだったので、ブラック派の私はちょっとびっくり。子供の頃はじめて飲んだコーヒーの味は、こんな味だったのかな・・と想像したりして、なんだか懐かしくなった。
カウンターに並ぶ年季の入ったボトル。黒く艶のあるコーヒー豆。大事そうにコーヒー豆を取り出すマスター。空間いっぱいに漂う淹れたてのコーヒーの香り。そこにいるだけでフワフワと心地よくなる不思議な空間だ。
浅草の「珈琲アロマ」は、昭和39年創業の老舗喫茶店。オニオントーストが有名で、女性客が頬張っていたトーストもおそらくオニオントーストだったのだろう。浅草の老舗パン屋「ペリカン」のパンを使っている絶品トースト。次回訪れるときは、ぜひオニオントーストを食べてみたい・・。コーヒーはもちろん、生搾りのジュースも美味しいと評判の喫茶店だ。
ちなみに浅草ペリカンのパンは、ふるさと納税を活用して楽天でも購入できる。
【ふるさと納税】浅草の老舗パン屋、ペリカンのパン ロールパン お取り寄せ 食パン グルメ
「珈琲 アロマ」の店内を見渡していたら、川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』をふと思い出した。過去に戻れるあの席がここにあったら・・とつい想像してしまう。『コーヒーが冷めないうちに』の喫茶店は「フニクリフニクラ」で「アロマ」ではないのだが・・。
私は『コーヒーが冷めないうちに』のシリーズが好きだ。あの小説をもう一度このお店で読みたくなった。
もし過去に戻れる席がこの喫茶店にあったのならば、私は若珈(モカ)に逢いに行く。
珈琲 天国
浅草の伝法院側にホットケーキが評判の喫茶店「珈琲 天国」がある。お目当ては、俳優の高橋一生さんも大好きなのだという「天国」の焼き印があるホットケーキ。
この日は平日だったが、私たち二人で満席になった。奥の席に座り、名物のホットケーキを注文した。二人で半分ずつ食べようということになり、ホットケーキをナイフでカットしたら、ホットケーキに押された焼印「天国」の文字が「天」と「国」に分かれてしまった(笑)。どっち側にしようか迷うので、結局4等分。
昔ながらのオーソドックスなホットケーキ。今流行りのふわふわ分厚いホットケーキではなく、ほどよい弾力と甘さ控えめのホットケーキは男女問わず好きになる懐かしい味。S氏が注文したクリームソーダーもレトロでかわいい。彼もなかなかのスイーツ男子だ。ホットケーキとクリームソーダーで「甘味×甘味」ではないか・・。私はブラックコーヒーとホットケーキをいただいた。
「珈琲 天国」のオリジナルグッズが店内を彩る。若い女性客が夢中になっていたガチャガチャも気になった。カプセルの中には、コーヒーやホットケーキなどが描かれた11種類の缶バッチが入っている様子。
浅草を訪れて歩き疲れたら、ぜひ甘いホットケーキで一息ついて欲しい。
浅草でタイムスリップ!極狭の不思議空間で骨董品探し!
「珈琲 アロマ」の並び、六区通りを浅草演芸ホール方面に1・2分ほど歩く。ビルとビルの間を突き進むとたどり着ける異空間がある。この日、兼ねてから気になっていた「東京蛍堂」を訪れた。
「千と千尋の神隠し」に登場しそうな、ノスタルジックなお店。昭和のドラマに出てきそうなガラス扉を開け、極狭の店内へ。なぜか惹きつけられる不思議な佇まいのお店だが、一人で扉を開けるには少々勇気がいる。
残念ながら撮影禁止だったが、このお店に並ぶアンティークな品物たちは、まるで呼吸をしているかのようにどれもイキイキとしている。ひとつひとつに「歴史」という「物語」を感じる品ばかり。あの不思議な空間が魔法をかけて、より魅力的に見せているのかもしれない。「モノ」との一期一会を求めているのなら、私は「東京蛍堂」をおすすめする。
昔はどこの家にもあった、先が三つに分かれた懐かしいスプーンがあった。ただのスプーンが特別なものに見えてくる。子供の頃、あのスプーンでカツカレーを食べた記憶が蘇った。時間を忘れ、ずっと居たくなる居心地の良さを感じる不思議なお店だ。
昔に比べブランド品にはほとんど興味が無くなった。コスパや機能性、その「モノ」にどんな「物語」があるかが私のもの選びの基準になった。自分に自信がない時ほど、自分の中身よりも見た目の評価に拘りブランド品で武装する。
手に取る「モノ」との出逢いにも「縁」がある。「モノ」に対する価値観で、目に飛び込んでくる「モノ」が違ってくる。過去にどんな人が手に取り、そこにどんな「物語」があったのか想像しながら次のオーナーになってみるのも面白い。そしてまた、ご縁がある誰かの手にバトンを渡すのも良いだろう。
下町の高級料理「どせう」
私が幼い頃は、よく食卓に並んだ懐かしくも庶民の味「どじょう」。
もう二十年以上「どじょう」を食べていないことに気付き、ふとあの懐かしい味を堪能したくなった。東北の実家に帰省しても「どじょう」料理に出くわす機会を得ないまま時は流れ、「どじょう」の姿もほとんど見かけなくなった。そうなると余計に「どじょう」が食べたくなる。夫くんや千葉に住む友人にそれとなく声をかけてみたが、どじょうと聞くなり遠慮されてしまった。
ネットで探したところ、生きたままの元気な「どじょう」を購入できるお店を見つけたが、最低でも100匹からというので断念した。昔は夕飯の手伝いで、「どじょう」を酒で溺れさせる下処理の手伝いをしたものだったが、今はできる自信がない。急に「どじょう」がかわいそうになって、庭の池に放してしまった記憶がある。100匹お取り寄せしたところで、熱帯魚水槽のとなりに「どじょう水槽」を作ることになりそうなので、購入は断念した。
浅草 どぜう飯田屋
はるばる東北から来てくれた親友のS氏は、お祖母様がご存命の頃によく食べたのだという。昔は水辺もきれいだったから、近所の水辺には野生のどじょうも棲んでいたのだ。私も子供の頃は、味噌汁や甘辛い醤油ベースの汁で煮たのをよく食べた。「どじょう」は滋養があり、美味しくて腹持ちの良い庶民のミカタだ。
そんなイメージの「どじょう」だが、今や高級料理の部類らしい。浅草の「どじょう料理」を調べると、どこも「高級」と記載がある。浅草には、うまい老舗の「どじょう料理屋」が幾つもあるのだ。
今回訪れたのは「どぜう飯田屋」。
お店の佇まいは雰囲気の良い日本家屋で、座敷に上がると「どじょう鍋」用のコンロが幾つも並んでいた。久しぶりに「どじょう」の味噌汁をと思ったが、せっかくなので「どじょう鍋」をいただくことにした。山椒と一味、木箱に入ったたっぷりのネギが用意された。どじょうに火が通ったら、木箱のネギを山盛りにのせていただく。山椒がピリッと効いて上品な大人の味わい。これに冷えたビールが本当によく合う。どじょう鍋の汁は、子供の頃に実家や祖母の家で食べたあの味わい、そのまんまだった。同じ味付けに驚きつつも嬉しく思った。
「どじょう鍋」をいただきながら思い出話に夢中になっていたら、お店の外は激しい通り雨。雨の激しさに店内が騒ついた。
通り雨に不安を抱きながら店を出た。
引き戸を開けると計ったかのようにピタリと止んだ。雨にあたらずに済んで、これまた上機嫌。
手相とタロットで未来を占う
ここ5・6年で、左の手相が大きく変わった自覚があった。
手相は変わって当然だとか、脳の皺と同じだとか・・手相については色々と聞くのだが、「マスカケ」ではなかった左の手相が、段々とマスカケに変化していく様子が、なんとなく気になっていた。
夫くんや親友のS氏をはじめ、私の周囲はやたらとマスカケの手相が多い。マスカケは珍しいと聞くが割と多いので、然程珍しいとは思えなくなっている。とはいえ、若い頃からずっとマスカケ組みというならともかく、マスカケになっちゃったんだよね・・・という人は自分のほかは知らない。気になって仕方がないので、機会があれば手相を診てもらおうと思っていた。
お目当ての占い師の先生は、事前予約で連絡を取るもたまたま休み。飛び込みで行けそうな占いのお店を検索して行ってみたのだが臨時休業。それでも諦めきれず歩きまわり、浅草ROXの中の占いコーナーを訪ねるも「手相が出来るものが今日はいない」と断られてしまった。
さてどうしようと困り果てたのだが、再度Google先生の力を借りて探したところ、評判の良いお店が浅草駅の近くにあるとわかり、急遽電話をしてみることにした。その日、たまたま手相を見れる先生がお一人いらっしゃるということでそのまま直行。「占いハートフル浅草駅前店」へと向かった。
ラッキーなことに、担当してくださった天宮先生は普段はあまり予約の取れない評判の先生だ。店内も複数のブースに分かれ、本格的な雰囲気。一番奥の素敵な部屋に通していただき、30分6600円のコースに決めた。はじめに手相、次にタロットカードという順番だ。
私の場合、右の手相は「ラッキーM」で強運らしい。のちに調べてわかったのだが、「ラッキーM」もマスカケ線の一種だ。先生が手相を診て一言、「ジョブチェンジの相がある」とおっしゃったのが印象的だった。今年に入り、会社員人生を辞めていた私。「何月に辞めたの?」と先生。有休消化もあったので2月末で退職したのだが、その半年ほど前には退職の意向を会社に伝えていた。先生がおっしゃった時期と「ジョブチェンジの相」がピッタリ重なる。これも運命の導きだったことを確信した。
退職を決めても半年近く、求められるままにズルズルと辞められずにいたのだが、その半年ほどの間は、これまでに無い様々なトラブルが降ってくることが多く不思議に思っていたことを先生に伝えた。先生がおっしゃるには、「もうそこに居ないで次のステージに行きなさい」というメッセージだったとのこと。それでも気付かずに留まろうとすると、やがて強硬手段のような形で知らしめられるのだそう。自分でもなんとなく気づいてはいたのだが、先生の一言で確信に変わった。
天宮先生からのアドバイスは、帰宅後すぐにメモに書き起こした。私の場合、今は「秋」。2026年の「春」がやって来てからが本番。秋から冬に突入しても、今は基盤を作ると思って辛抱し、努力し続けることが大切とのこと。タロットカードのお告げで知った、これから現れるビジネスパートナーとの素敵な出会いや、諦めずに努力すれば待っている幸せと勝利の女神を信じて、愚直に頑張ろう。先生とタロットカードのお告げに勇気をもらった。
「縁」には「人」や「動物」との縁のほか、「場所」「会社」「物」にもきっと「縁」がある。そしてその「縁」には、「賞味期限」のようなものが存在するのではないかと思う。次の「縁」を求めて行動する力も、未来を切り開く力に他ならないのだろう。
一緒に占ってもらったS氏もご満足の様子。彼は珍しすぎる手相の持ち主のようで先生も困惑していたが、結構な割合で当たっていたと思う。電話やZOOMでの占いも行っているという。コロナもまだまだ不安という方は、ZOOMなどを利用しても良いかもしれなし。
占いの間、またもや凄まじい雷鳴と共に大嵐がやってきた。そこに地震も加わり、建物の外は祭りのように賑やかだった。占いを終え、ビルの1階に降りた頃には雷神さまが通り過ぎた後だった。
路地裏に佇むおでんの名店 小料理屋「ひろ里」
浅草のホッピー通りは賑わっていた。ひっくり返したビールケースに座って飲むスタイルが私は好きなのだが、S氏はどうも苦手な様子。静かに夕食を楽しめるお店を探すことにした。
↑ホッピー通りに興味がある方はこちらの「散歩の達人」も参考になります
雷門近くの路地裏にひっそりと佇む小料理屋を見つけた。「おでん」の看板に惹かれ、お店の前へ。
ちょっと敷居の高そうな洒落た日本家屋に、「ひろ里」と書かれた暖簾がかかっている。京都の割烹料亭に来たかのような雰囲気があった。店の外にメニュー書きなどは無く、一限さんお断りのような雰囲気があった。店を覗くと、L字型のカウンターがあり、常連とおぼしき男性が一人で酒を呑んでいた。
カウンターに座ると、良い具合に味の染みたおでんが見えた。小さな黒板に本日のおすすめが書かれていて、新鮮なお刺身も名物であろうことがわかった。つきだしはダシの染みた煮浸し。煮浸しの味で、おでんの上品な味わいが想像できた。まずは大根と卵、巾着を頼んだ。
お店のご主人が、食べやすい大きさにおでんをひとつひとつ半分に切って出してくれた。その細やかな心遣いに感激。お刺身は鮪、こはだ、鯵を堪能。ビールもいただいてお腹も心も満たされた。
ドラマ「相棒」の右京さんが通いそうなお店だ。ひとりもしくは二人程度で、おでんとお刺身をつまみながら静かに飲むのに最高のお店だ。男性はスーツ、女性はお着物やワンピースが似合うお店。間違ってもジャージやジーパンでは浮くので注意したい。
↑metabolisanさんのブログもわかりやすいです
最後に
浅草の七福神巡りをしたのはもう10年ほど前になるのだろうか。
浅草に来るたび思うのは、不思議とたくさん歩いても疲れない街だということだ。歩いていても歩いても苦にならない。いつもは合羽橋の商店街や今戸神社をぶらつくことが多いのだが、今回はいつもと少し違った浅草を楽しんでみた。
思い出を作ったり、体験や経験にお金を使うことは「生きたお金の使い方」だ思う。
「懐かしい」も「思い出」も、過去を振り返り語り合ったりアルバムを開くだけじゃなく「作る」のもまた楽しい。
↑昭和レトロな猫グッズはこちら↓
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