こんにちは、moch@です!
愛猫家の皆さんなら、猫の好奇心にしばしば驚かされることも少なくはないでしょう。個体差はありますが「何でもトライ&チャレンジ」の活発な成猫も少なくありません。
わが家の長男ショコラも御年16歳の老猫ですが、10年ほど前までは家の柱を登り、マンションのベランダから脱走し、美味しそうに見える観葉植物はとりあえず噛んでみる・・というかなりの「冒険野郎」でした。
器用に引き出しを開け、ドアノブを回し、瓶の蓋を開け、窓の鍵まで見よう見まねで開閉しようとするので、猫の賢さには驚かされつつも、なぜ危険と知ってもまた危険を冒そうとするのか・・首を捻ってしまうこともしばしばありました。
こんな思い出を、老猫となった彼に話し聞かせても、目を細めて知らんぷりされると思うのですが・・・。現在の彼は、周囲の人間を巧みに動かし、自分は微動だにせず、極力無駄な体力を使わない術を完璧にマスターしています。
キャットフードに入っている食材なら本当に大丈夫??
近頃はキャットフードの種類も豊富になり、「NGなのでは?」と疑問に思う食材が原材料に記載されていたりして、与えてはいけないと知らず、愛猫を危険な目に合わせてしまう飼い主もいるようです。
市販のウェットフードに「イカ」と書いてあったから危険だという認識はなかったとか、「アボカド」入りのキャットフードが売られているから、食べさせても大丈夫な食材だと思っていた・・・などなど。
「あれ?」と疑問に思ったら、かかりつけの動物病院に確認してみたり、一度調べてみる必要がありそうです。
意外と多い生花の誤飲
お部屋に生花を飾ったり、観葉植物を置いている方も多いでしょう。植物は心を癒してくれますが、美しい生花の類も猫にとっては危険なものが多いので注意が必要です。
中でも「百合」は、腎不全や脱水症状を引き起こし、少量でも危険で、ひとくち齧っただけでも中毒になることがあります。百合を生けた花瓶の水も危険です!
つい最近、動物病院の待合で猫の飼い主同士の会話が耳に入りました。
愛猫が、まさにこの百合を齧ってしまい、嘔吐と下痢で受診したとのこと。まさか、腎不全を起こす危険性があるとは思ってもいなかった様子で、しきりに娘さんに叱られるのではないかと心配している様子でした。娘さんが飼えなくなってしまった猫を引き取ったものの、「猫に何かあったらお母さんのせいよ」と言われているのだとか・・・。
愛猫からできる限りのリスクを遠ざけるのは、飼い主である私たちの責務です。
参考書籍:『猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑 〜誤飲と中毒からあなたの猫を守るために』
↓こちらの書籍は、愛猫家の皆さんにぜひ手に取って読んでほしい1冊です。
猫が食べると危ない食品・植物・家の中の物図鑑 ~誤食と中毒からあなたの猫を守るために [ 服部 幸 ]
猫には絶対NGな食品&植物〜基本編〜
★チョコレート、ココア(カカオが入っているものは全て)
→「テオブロミン」という成分が嘔吐や痙攣、下痢、失禁や不整脈を引き起こし死に至る場合があります。
テオブロミンの致死量は、体重1kgあたり200mgくらいと言われています。チョコレートに含まれるカカオの量によってテオブロミンの含有率は異なり、高カカオチョコレートほど、テオブロミンの量が多くなるため注意が必要です。例えばカカオ99%のチョコレートは、板チョコ1枚(50g)あたり550mgのテオブロミンを含みます。
これは、2kgほどの仔猫の場合、カカオ99%のチョコレート1かけでも、中毒を起こしてしまうのです。近頃、健康志向の高まりから高カカオのチョコレートが人気ですが、食べカスや包み紙などがそのままになっているようなことが無いように日頃から注意しましょう。
ちなみに、コーヒーも私たち猫にとっては危険よ!
★イカ
→スルメは胃腸の中で膨らみ詰まるリスクがあり、大変危険です。
イカはそもそも消化が悪く、胃腸に負担をかける。生イカの内臓には「チアミナーゼ」という成分が含まれ、猫の体内のビタミンB1を破壊してしまうため、ビタミンB1欠乏症に至る可能性があります。
ビタミンB1が不足すると、食欲低下、ふらつきやよだれ、痙攣や瞳孔が開くなどの神経症状が現れます。猫が少し口にしてしまった程度では、すぐに重篤な状態になるものではないので、口にしてしまったからと言って慌てる必要はないのですが、2〜3日は慎重に観察し、神経症状や消化不良などが見られた場合には、速やかに動物病院を受診する必要があります。
仔猫や老猫が口にした場合は特に注意が必要です。
★タコ
→イカ同様に「チアミナーゼ」が含まれ、ビタミンB1欠乏に陥る危険性があります。
「チアミナーゼ」は熱に弱く、加熱すると働きを失うのですが、そもそもタコは消化に悪く詰まる危険性もあるため、与えてはいけません。
万一、少量の誤飲の可能性がある場合は、慌てずよく観察し、神経症状や消化不良などが見られたら速やかに動物病院を受診してください。症状がすぐ出るとは限らないので、2〜3日は慎重に観察する必要があります。
★貝類
→「猫が貝を食べると耳が落ちる」という言葉をご存知ですか。
耳が落ちるという言われには、実は根拠があります。貝類を食べると、「ピオフェルフォルバイドα」という毒が血中に溶け込み、「光線過敏症」になってしまう恐れがあるのです。「光線過敏症」は体毛や目の周り、耳などに日光が当たっただけで、痒みや腫れといった炎症が生じ、最悪の場合、壊死してしまう病気です。
壊死した部分を放っておくと、がん化する可能性もあります。また、貝類には、イカ・タコ同様に「チアミナーゼ」が含まれるため、神経症状に異変が起きるリスクもあるのです。
唯一、猫が食べられる貝類は帆立の貝柱よ!
帆立の貝柱には亜鉛やタウリン、ビタミン類が豊富で猫の健康サポートに有効な食材です。ただし、貝ヒモや内臓はしっかり取り除き、加熱して与えてください。
昨今、猫用おやつとしてアサリの加工品が売られていますが、「チアミナーゼ」が含まれているので与えすぎには注意しましょう。帆立の貝柱以外、貝類を与えるのはやめておくべきだと思います。
★生卵
→卵白には「アビジン」という成分が含まれており、ビタミンである「ビオチン」と結合して体外に排出されてりまうことで、ビオチンが吸収されず「ビオチン欠乏症」になってしまうリスクがあります。また、生の卵を摂取することは、サルモネラ菌などに感染する危険性もあるため、おすすめできません。
★牛乳
→牛乳には「乳糖」が含まれます。
この乳糖を分解するためには、ラクターゼという酵素が必要ですが、猫はこのラクターゼをあまり持っていないため、うまく消化吸収できず下痢を起こす可能性があります。
また、乳製品でアレルギーを起こす猫もいるので十分注意しましょう。飲んで数分後に痒がったり、嘔吐や下痢の症状が出た場合はアレルギーの可能性も考慮して、速やかに動物病院を受診することが望ましいです。
★ネギ類(ネギ、玉ねぎ、にら、にんにく、らっきょう等)
→「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれています。
この成分は、赤血球を破壊して貧血をおこすのです。また、加熱しても意味がありません。ネギ類が猫には危険だと知っている人は多いでしょう。ですが、ついつい・・うっかり・・が多いのもこの成分の怖いところです。
注意したいのは、人間用の「ツナ缶」よ!おねだりされても与えないでね!
「ツナ缶」には様々な種類があり、すべての「ツナ缶」に共通するとは限らないのですが、原材料に「野菜スープ」と記載がある「ツナ缶」があります。
調べてみると、この「野菜スープ」にはキャベツやにんじんの他、「玉ねぎ」の煮出しエキスも含まれます。「野菜スープ」の文言で安心せず、何の野菜が使われているのかを確認する必要がありますね。
「ツナ缶」の美味しそうな香りに誘われて、おねだりされることがあるかもしれないが、うっかり与えないように注意してください。
★アボカド
→「ペルシン」という成分が含まれ、下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こします。
プレミアムキャットフードの「アボダーム」など、アボカドの成分が含まれるキャットフードが売られているため、危険な食材と知らない人も多いはず。
アボカドに含まれる「ペルシン」は、中毒症状を引き起こし、下痢や嘔吐、呼吸困難、痙攣などの神経症状が現れ、体質によっては重症化することがあるのです。
また、このペルシンは、果肉部分よりも葉や皮、茎などの方に多く含まれます。近年、アボカドは食用だけでなく、インテリア性の高い観葉植物として売られていたり、アボカドオイル入りの化粧品もあるため、うっかり自宅にある場合は、今すぐ見直す必要がありそうです。
アボカドのタンパク質は、そもそもラテックスタンパク質に構造が似ているため、アレルギー反応を起こす猫もいます。
ちなみにキャットフードの「アボダーム」は、毒性のある部分を避け、ペルシンを含まない種類のアボカドを使用しているとのことで、安全性に問題はないとされています。
また、保湿性の高さを生かしたペット用シャンプーやリンスも販売されていて、安全性に問題はないとされていますが、十分考えて購入すべきだと思います。
★柑橘類(レモン・グレープフルーツ・オレンジなど)
→「リモネン」と「ソラレン」という成分が、柑橘類の果物の皮に含まれており、下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こします。リモネンとソラレン・・なんだか可愛い響きで、双子の女の子みたいな名前ですよね。
一般的にネコ科の動物は、柑橘類の香りが苦手とされており、ほとんどの猫が嫌う香りなのですが、稀に好きな猫もいます。わが家の長男ショコラもグレープフルーツの香りが好き・・・単に変わっているだけかもしれませんが・・。
注意したいのは、加湿器に入れる類のオイルやルームフレグランス。エッセンシャルオイルの中に、柑橘類の成分が凝縮されており、それが部屋中に拡散されるのは猫の体には良く無いので注意しましょう。
香りが似ているハーブで、レモングラスがあります。レモングラスは、猫が体内に入れても大丈夫なのですが、レモングラスの香りのエッセンシャルオイルの中には、柑橘類の香り成分が含まれているものもあるので要注意です。
わが家の長男ショコラは、このレモングラスというハーブが大好きでよく齧ります。そもそも柑橘系の香りが好きなので、香りに誘われてレモングラスににじり寄り、しばらくは側から離れません。
★キシリトール
→キシリトールは急激に低血糖を起こし、痙攣やふらつき、嘔吐や下痢といった症状が現れることがあります。症状は接種後1時間以内に現れるようです。
「アクアデント」はじめ、ペット用のデンタルケア商品が販売されており、安全性に問題はないとされていますが、副作用としてふらつきやキシリトール中毒、低血糖などの症状が現れることがあると、製品の注意書きにも明記されています。
私は以前、某動物病院で勧められて使用していた時期があったのですが、キシリトールによる中毒のリスクを考え、使用をやめました。使用する際には、愛猫の体重や年齢を考慮して、容量と用法を守って使用することが大切です。
★ナッツ類
アーモンドやピーナッツなど、晩酌のお供に欠かせないナッツ類ですが、うっかりテーブルの上や床に転がっていたりはしないでしょうか?形状も丸いので、猫が転がして遊ばないとも限りません。誤飲に留意したい食材のひとつです。
特に、ビターアーモンドには青酸化合物の「アミグダリン」がふくまれており、少量でも毒性が強いので、最悪の場合、中毒死してしまう危険性があります。
健康志向の女性に根強い人気のクルミは、「ペニトリウムA」という成分が含まれており、痙攣や嘔吐、下痢などの中毒症状のほか、舌を出して呼吸するなどのパンディング症状が出ることがあります。
ビールのお供に欠かせないピーナッツは、中毒となる成分は含まれていないものの、消化不良や尿路結石症を起こす可能性があります。マカデミアナッツも、中毒となる成分がはっきりしてはいないものの、接種後12時間以内に中毒症状が現れることが多いようです。
★百合
仏花として仏壇に飾られることが多いユリ。
ユリといっても、ユリだけではなく、ユリ科の植物すべてに注意しましょう。ユリは、猫にとっては猛毒です。
花びら一枚を食べてしまったり、ユリを生けた花瓶の水を飲んだだけでも死んでしまう危険性があります。百合の花粉も危険です。ユリ科の食べ物といえば、ネギや玉ねぎも。猫によろしく無いのは想像がつきますね。
ユリ中毒は、腎臓の機能が破壊され、様々な症状を引き起こします。腎不全の症状が出て、数日後には排尿ができなくなり苦しんで亡くなる場合があるのです。愛猫家の家の中には、百合の花は飾られていないことを願いたい。
★かすみ草
わが家の長男ショコラが好きな花・・なぜか、かすみ草があると一目散に寄ってきてハムハムします。
何故かは不明ですが、かすみ草好きな猫ちゃんは案外いるようです。
紫陽花や百合と比べれば中毒性は高く無いものの、かすみ草による中毒症状も嘔吐や下痢などで見られるため注意が必要です。
★紫陽花
特に蕾が危険だとされており、下痢や嘔吐の中毒症状を引き起こして最悪、死に至ります。
梅雨時期の楽しみである紫陽花の花も、愛猫を思えば家の中には持ち込まないのが賢明です。
最後に
いかがでしたか。
ピックアップすればキリがない・・と思うほど、案外、猫に与えると危険な食べ物や身近な物が多いことに気が付きます。
いちいち調べて・・というのも大変でしょうが、疑問に思ったり不安な場合は調べて見るのが一番です。だが、ある程度の知識と情報は必要不可欠です。
今回は、ネット検索の多いワードからピックアップして調べてみました。愛猫家の皆さんが、日頃から疑問に思って調べている証拠だからです。少しでも、愛猫家の皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
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