今年に入り、セカンドオピニオンで受診した動物病院が新たな掛り付けになった。
半年に一度のペースで心エコーをしているバロンだが、去年までは処方薬を全く飲んではくれず、ただただ病の進行状況を確認するだけの検査になってしまっていた。このままでは流石にマズイと焦りを覚え、思い切って別の病院を受診したのだった。
わが家のバロン(シンガプーラ6歳)は、2歳の頃にはすでに肥大型心筋症と診断されている。
肥大型心筋症の治療といえば投薬治療が主流になる。メジャーなのは、β遮断薬のアテノロールや血栓予防薬のクロピドグレルの処方だ。動物病院によっては、ハートアクト等のサプリメントも薦められる。アテノロールやクロピドグレルは、味が独特で苦手な猫が多い。神経質な猫にとっては毎日の服薬が大きなストレスになる。
わが家のバロンも、2歳から5歳までまともにこの薬を飲んではくれず、試行錯誤の甲斐もなく途方にくれるばかりだった。掛り付けだった病院の主治医からは「強制投薬」を勧められていたが、疑問が残った。
ただでさえ苦い薬を、嫌がるのを分かっていて強制的に投薬する行為は、繊細なバロンを更に神経質にさせ、ストレスによるQOLの低下を招いてしまう懸念がある。投薬の重要性は十分に理解しているつもりだが、ただでさえ長いとは言えない猫生において毎日、投薬によるストレスをかけるのはよろしくはない。
現在の掛り付けには、クロピドグレルの代替薬があった。
今は、血栓予防薬「イグザレルト」を処方してもらっている。
アテノロールなどのベータ遮断薬は、最近の研究によると飲んでも飲まなくても、猫の寿命に大差がないことが分かっているとのことで、本人のストレスをできる限り少なくするために、主治医のアドバイスであえて飲ませていない。
イグザレルトは1日1回、1/4錠を投薬する。
バロンにはこの他に、ハートアクト、パンフェノンS、モエギタブを楽天市場のペット用サプリメント専門店から購入し、イグザレルトと一緒に飲ませている。味にうるさく繊細で疑い深いバロンだが、お気に入りの投薬用トリーツが見つかったお陰で、薬もサプリメントも毎日なんとか欠かさず飲めている。
ハートアクト他、サプリメントについては以前にも記事にまとめているので参考にして欲しい。
今年4月の終わりに「イグザレルト」を飲みはじめて約3ヶ月が経過した。同時にパンフェノンSなどのサプリメントもしっかり飲み続けている。投薬開始後2ヶ月と少しではあるが、6月の半ばに心エコーと健康診断を実施したので、結果を記録しておこうと思う。
今年2回目の心エコーと健康診断(新掛り付けの動物病院で)
心エコーは検査を行う獣医によっても違うし、都度全く同じではなく多少の誤差が生じて当たり前だ。とはいえ、2ヶ月前の検査結果では明らかに病の進行が認められて落胆していたこともあり、今回の検査では良い結果も多少出ていたのでホッとした。
前回の心エコーは4月9日だったので、約2ヶ月後の心エコーとなる。次は、11月くらいに検査する予定だ。
拡張末期心室中角壁厚は前回が4.3mmだったのに対し、今回は8.3mmという結果にドキッとしたが、画像の上部にある手書きの心室内のイラストのように、計測する位置によって厚みは変わるので、あまり気にしなくて良いとの説明だった。前回と全く同じ地点を探して計測するのはほぼ不可能だ。同様に、左室後壁厚や拡張末期の左室径なども数ミリの違いがあり、主治医によればどれも誤差範囲で、ほぼ変わっていないと考えて良いとのことだった。
前回の検査からたった2ヶ月しか経過していないので、当然と言えば当然なのかもしれないが、極端に悪化しているところはなくホッとした。
とはいえ、かなり良い結果が得られたところもある。
バロンは、肥大型心筋症に付随して僧帽弁閉鎖不全と左室流出路狭窄を患っている。
左室流出路の血流速度は速ければ早いほど心臓の内壁に負担をかけてしまうので注意が必要だ。左室の血液が通る場所が狭くなっていることで、狭い場所を血液が通る際にはどうしても血流速度が速くなる。心拍が上がっていたり、狭窄がひどくなれば血流速度は必然とあがるわけだ。
前回の左室流出路血流速度は、4.2m/secだったが今回は2.93m/secまで速度は遅くなっており、唯一前回と大きく違った結果が出た。また、左房大動脈比も前回はLA/LO2.04だったがLA/LO1.96と多少数値は下がり、前回と比べて数値的に見れば、多少なりとも結果オーライだと思える。同日に実施した健康診断の血液検査も特に問題はなかった。
左室流出路の血流速度がよくなったことだけでも嬉しい。他は誤差範囲かもしれないが、明らかな悪化は見られずホッとした。イグザレルトの投薬はもちろんだが、パンフェノンなどのサプリメントを今後も継続していきたいと思う。
サプリメントをしっかりと飲み始めて変わったのは、バロンの両脚の肉球だ。以前はとても冷たいままだったが、温かいことが多くなり、弟分と追いかけっこして遊ぶことが多くなった。サプリメントだけの効果だとは断言できないが、多少なりとも効果を実感できているのは有り難く思う。
現時点で開口呼吸は見られず、安静時の呼吸数や心拍は安定している。呼吸数と心拍数は定期的に自宅でも計測するようにしている。15秒間数えて4倍すれば1分あたりの数がわかる。心拍に関しては見た目だけで計測することは不可能なので、聴診器を使っている。寝ている間に15秒間だけ聴診器を胸にあてるだけなので、嫌がることもない。
聴診器 日本製 No.116II シングル聴診器 ケンツメディコ ナーシングフォネット アルミ 抗菌 UV塗装 医療現場 介護 シングルタイプ 一般医療機器
定期購入しているサプリメント
前回までの記事でも紹介したが、バロンが毎日服用しているサプリメントを再度ご紹介しておこうと思う。サプリメントそれぞれの詳しい情報は、下記のリンクから直接ショップの概要や詳細説明で確認してほしい。
【送料無料】スケアクロウ パンフェノンS 犬猫用 体重1kg〜5kg 1日2粒30日分
私は、楽天市場のペット用サプリメント専門店「Ant,pack」を利用している。
サプリメントがポストに届くだけでなく、人間用の処方薬さながらに1日ごとに個包装分けされており、希望すれば愛猫の名前も印字してくれるので多頭飼いには大変便利だ。個包装には番号が振られているので、うっかり防止になる。ご興味があれば、上記または下記のリンク先からチェックしてほしい。
楽天市場はこちら ↓
わが子の影響・・・
サプリメントは、種類は異なるが他の子たちにも飲ませている。
長男は慢性腎不全のステージ2だ。先月受けた健康診断でも特に大きな変化はなくステージ2のままだったが、進行してはいないのでホッとした。
次女のモカは糖尿病だったが、闘病中に急性腎不全を発症しあっという間に虹の橋へと旅立ってしまった。最期の三日間の苦しさは忘れられない。腎不全の末期は見ているのが辛いほど苦しみ、苦しむ時間も長い。モカと同じ苦しみをショコラにさせるわけにはいかない。
そこで、腎機能をサポートするネフガードや関節炎などにも良いと言われるモエギタブ、腎機能をサポートするエネアラを毎日欠かさず飲ませることにした。このサプリメントも今年に入ってから欠かさず飲ませられるようになり、もうすぐ半年ほどになる。「エネアラ」を飲み始めたのは3ヶ月ほど前からだが、最初はおやつのオネダリ回数が増え、食欲も増し、弟分と走って遊ぶ姿が見られるようになって驚いた。16歳のシニア猫で関節の湾曲もあり、階段の上り下りもゆっくりの彼が走り出すとは・・・。
共立製薬 ネフガード顆粒 犬猫用 体重1kg〜5kg 1日0.4g30日分
ペットのサプリメント「エネアラ」は、人間でもいっとき話題になった「5ーALA(5アミノレブリン酸)」が配合されたサプリメントだ。長男の変化を目の当たりにし、気休め程度で考えていたサプリメントの効果を自分も試してみたくなった。すぐさま人間用の「5ーALA」をネットで購入し、飲み始めてもうすぐひと月になる。朝の目覚めがよくなり、朝特有のだるさは軽減されたようだが、その他は特に変化を実感できずにいる。少し欲張りだろうか。効果の程は人ぞれぞれ、猫それぞれだと思うが、ショコラの様子を目の当たりにしなければ高価なサプリメントを自分が服用しようとは考えなかったと思う。
下記リンクは、私が購入して飲んでいる「5ーALA」だ。他にも「5ーALA」サプリメントは沢山販売されており、正直どれを選んで良いのか迷った。1粒あたりの「5ーALA」含有量と価格でコスパを考えて購入してみた。楽天市場なら「5ーALA」サプリの種類が豊富で選びやすい。
サプリメントや投薬、病気に関する記事は「YMYL」になるため、記事にしても検索でヒットする確率は低くなり、この体験談や情報は欲する人に届きにくいのは承知だ。それでも、心筋症や腎不全などの持病をかかえるわが子を救いたいと願う人たちに、少しでも役立つ機会があるのならばと思い書いている。
サプリメントや薬の効果は保証されるものではない。でも、何もしないでいることは諦めていることと同じだと私は思う。少しでも効果が期待できるのであれば、主治医に相談して試してみるのもひとつの選択肢だ。
次女のモカが糖尿病になったとき、その治療においても薬についても、「知らない」ということがどんなに恐ろしいことかを思い知らされた。自分は医者じゃないし・・とか、難しいことは理解できないから・・とか、知る努力もしないで全てを獣医師に丸投げするのは良くない。獣医師も人の子だから完璧ではない。
わが子を一番理解しているのは、獣医師ではなく飼い主であることも忘れてはいけない。全ての選択の責任は飼い主側にある。わが子が幸せな猫生を全うできるように、QOLの維持や向上を考えながら治療の選択をしなければいけないのだと私は思う。
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