セカンドオピニオンでの「心エコー」の結果、症状はおそらく進行しているだろうとの診断でした。
「肥大型心筋症」はステージB2・・・なんとかこのステージでとどめ、これ以上の進行をできるだけ遅らすることが、今後の治療目的になります。
かかりつけの病院で処方されているお薬(アテノロール)を、ちゃんと飲めていないせいで進行してしまったのでは・・と、バロンに申し訳ない気持ちでいっぱいになったのですが、担当してくださったO先生によれば、「アテノロール」は(O先生的には)飲ませても、飲ませなくてもどちらでも良いとのことでした。(あくまでバロンの場合の今回のケースとしてお読みください)
「アテノロール(β遮断薬)」は、人間でも狭心症様症状の改善に処方されます。心臓に、「あまり頑張らなくてもいいよ・・」と働きかけ、ドキドキを抑えるための薬です。
O先生によると、犬・猫の心筋症でもオーソドックスな薬ではあるものの、昨今では、猫の場合(人間と違って)、服薬による寿命の差はほとんど見られないと言われている・・とのことでした。
バロンのようにお薬に敏感でストレスを感じやすいタイプであれば尚更、ストレスは減らしてあげたほうが良いので、アテノロールを一旦やめる選択に至りました。(投薬・治療方針は担当する先生によって違い、症状によっても異なりますので、あくまでバロンとお受け止めください)
「アテノロール」によって心拍を抑えれば、心臓の労働負担は減るでしょう。それゆえに、肥大型心筋症のように心臓の心室壁が分厚くなるのを抑制したり、心拍をおさえることで寿命を延ばせる可能性もあるのでは・・と(個人的に)考えていたので、正直悩ましい選択でした。
少しでも知識と情報を・・と思って購入した『猫の診療指針(Part1)』の「肥大型心筋症」のページには、著者である石田先生の場合、無兆候の肥大型心筋症に対する治療として、左室肥大があり、動的左室流出路閉塞が4.5m/secであれば、アテノロールを投与すると記載があります。また、左房拡大(LA/Ao>2.0付近)であれば、血栓予防に「クロピドグレル」を投与すると記載されていました。
バロンの場合、心エコーの結果がDLVOTO4.2m/secで、LA/Aoが2.04で2.0を上回るため、この教科書通りに判断するのであれば、「アテノロール」も「クロピドグレル」も投与したほうが良いと判断できそうですが、この『猫の診療指針(Part1)』も第一冊発行が2017年8月となっているので、その後の医療技術やデータは日々新しく進んでいることを考えれば、尚のこと、最適解はどうすることなのか悩ましい限りです。かかりつけの先生にも今回の結果を踏まえて相談したいと思っています。
ちなみに『猫の診療指針』はPart1~Part2まであります。1冊の価格はそれなりに高価ですが、愛猫家であれば手元に置きたい1冊です。主治医の先生の話を理解するときや、飼い主としてあらゆる選択を迫られるときにも役立つと思います。最終的には、飼い主の判断やくだす決断が、愛猫の生命に大きく関わってきます。先月亡くしたモカの一件で、「知らないことは怖いこと」であると同時に、「知らない」では済まされないのだと気が付きました。医者ではないので限界がありますが、できる限りの情報と知識はあるに越したことがありません。これを読むことで、先生に疑問に思ったことを遠慮なく質問できる様になり、以前より家族とも話合う時間が増えたことを考えれば、買って損はなかったと思っています。
「肥大型心筋症」がもとで起きえる恐ろしい症状のひとつに、「大動脈血栓塞栓症」があります。
→「大動脈血栓塞栓症」について、こちらの書籍にもわかりやすく書いてありました。こちらも購入後して良かったのでご紹介まで。
ネコが長生きする処方箋 専門医が教える本当の健康と幸せ [ 南部美香 ]
「大動脈血栓塞栓症」はとくに「心筋症」と関連があり、肥大型心筋症と拘束型心筋症に続発しやすいようです。無兆候であっても、バロンのように左房径が拡大しているケースは散見されるようで、左房サイズに比例して血栓の形成リスクは上昇するようですから(『猫の診療指針(Part1)』P.103、P.115参照)、血栓の予防は必要だと思います。
「バロン闘病記①」にも記載しましたが、主治医のS先生に「アテノロール」の他、血栓予防に抗血小板薬の「クロピドグレル」を処方してもらいましたが、バロンは飲んでくれず断念しています。今回のセカンドオピニオンでも、O先生から「お試し」で3錠だけ処方してもらいましたが、一粒も飲んではくれませんでした。「クロピドグレル」の代替として、薬ではなくあくまでサプリメントレベルですが、「ハートアクト」をS先生に打診され、いっとき処方してもらっていましたが、よほど「クロピドグレル」の不味さがショックだったのか、「ハートアクト」さえ飲んでくれなくなってしまいました。
とはいえ、今回の「心エコー」の結果を踏まえると、悠長なことは言っていられないと思い(ネットで「ハートアクト」を購入していたので)、これまで以上にしっかりと、朝・晩飲ませています。
↑こちらがお安く買えるのでよく利用します(ご参考まで)
お薬に敏感な子や、神経質で繊細な子には、一度の投薬の失敗がその後の投薬治療に大きく影響します。
最近、ようやくバロンの口に合う「投薬用トリーツ」を見つけたので本当に助かりました。毎日与えるものなので、口に合うのは当たり前ですが、原材料などへの注意が必要です。飲んでくれる・・で安心して、長年与え続けたトリーツのせいで別な健康被害を被っては本末転倒だと思います。
↓最近、バロンがお気に入りの投薬用トリーツ(腎臓への負担が少ない低ナトリウム・低リンで保存料等も無添加)
ビオナチュレ 投薬補助トリーツ 猫用 食べ比べセット(スプラット・鮭) 10g×各5本※お1人様6セット限り
投薬補助トリーツは、今ではいろいろな種類が出てきていて便利になりました。それでも、猫ちゃんによって味の好みや、食餌に対する拘りが違うので苦労しますよね。
「クロピドグレル」のように苦いお薬は、たいてい糖衣が多いのでしょうが、主治医のS先生の提案で一度ハチミツを絡めて口の中に入れてあげたこともあります。この方法が合っている猫ちゃんもいるそうなので、試してみるのも良いかもしれません。
ただ、ネコ科の動物の味覚に甘味は無いはずなので、蜂蜜の甘さで誤魔化せるとは個人的には思わないのですが、この方法が合っている子もいるのでしょう。甘さが分からないはずなのに、糖尿病中のモカが低血糖になったときに与えたら、確かに美味しそうに舐めていました・・・。
本当は、「クロピドグレル」をしっかり飲ませたいのですが難しいので、今後の投薬治療に関して再度、主治医とO先生に相談したいと思います。今週は、主治医のS先生に状況をお話し、相談する予定です。O先生のところでの「心エコー」は次は6月の予定です。
進行せず、なんとかこのままの状態で肥大化がストップし、血栓予防もしっかりっとできる様になりたいと願っています。
コメント