こんにちは、moch@です。
昨今、ペットと飼い主の老いを巡る問題は深刻化しています。
多頭飼い飼育の崩壊も環境省の調査によると、60代以上の高齢者の飼い主が過半数を占めているようです。多頭飼いではないにしろ、年齢とともに判断力が低下し体力も金銭的な余裕も失い、ペットの世話が行き届かなくなるケースもありますよね。
ペットと暮らす全ての人に考えておいてほしいのが「飼い主の老いとペットの未来」。
飼い主自身が介護施設に頼る必要が出て来たら、愛するわが子はどうなるのでしょうか。
日本の「ペットと一緒に入れる高齢者施設」は、欧米に比べまだまだ少ないのが現状です。入居費用も一般の施設より高額になり、一緒に迎え入れられる愛犬・愛猫の数にも限りがあります。泣く泣く動物愛護センターに渡さざるを得なくなってしまうかもしれません。
「飼い主の老いとペットの未来」問題は、直面してから考えても遅いのです。まだ先のことと思わずに、今から真剣に考え備えておく必要がありそうです。
ペット共生型老人ホーム(高齢者施設)とは?
老人ホームなどの高齢者施設の多くは、体況や他の利用者との兼ね合いからさまざまな制限を設けられています。ペットと一緒に暮らすことを熱望したとしても、ペットを連れて施設に入ることは基本的にはできません。こうなると、ペットとの離別は避けられなくなってしまいます。
そんな中、数は少ないのですが、終の棲み処でも愛犬や愛猫とともに暮らせる高齢者施設はあります。
人も動物も最期までサポートしてくれるのが「ペット共生型老人ホーム(高齢者施設)」です。
ペット共生型老人ホームの中には、入居者のペットに対して獣医師による健康診断や往診などの医療サービスを提供するとともに、万一飼い主である入居者が他界して飼えなくなった場合でも、あらかじめ定めた「ペット最終引受人」に引き渡してくれたり、施設が次の飼い主を探してくれるなどのサポートがあります。しかしながら、そのようなサービス内容や費用も施設によってまちまちなのです。
予算や条件に合う施設がどこにあり、費用をはどのくらい必要なのかを知っておくことは、老後のライフプランを考える上で重要です。
どのくらいの費用がかかるの?ペット共生老人ホーム(高齢者施設)
「どのくらいの費用がかかるのだろう?」・・・まず気になるのは費用面ですよね。
お金がなければ入居したくても入れません。
ペット共生型高齢者施設の費用は、結論から申し上げると「施設による」というのが答えです。その施設がどこにあり、どの程度のサービスやサポートをしてくれるのかにもよりますし、設備や部屋の広さなどの違いでも入居前後の費用は大きく違ってきます。
大阪市東成区にある「ぺピイ・ハッピープレイス TAMATSUKURI」を例に見てみましょう。
「ペピイ・ハッピープレイス TAMATSUKURI」の費用は、年齢と居室の広さによっても異なるようですが、入居時費用として60歳から64歳の入居者は¥33,948,000で、65歳から79歳の入居者は¥25,461,000となっています。80歳から84歳の入居者は¥16,974000、85歳以上は¥8,487,000となるようです。(参考書籍:「週刊ダイヤモンド 2021/11/27」)
あくまで現時点での費用ですから、将来的に変わることもあるでしょう。この入居時費用とは別に、月額費用が最低¥200,000必要です。20万という月額費用には、管理費や食事、「ペットオールサービス費」というペットのための費用も含まれます。
決して安くはありませんが、わが子同然の愛犬・愛猫と暮らすために必要なサポートが揃っていると言えます。
ペピイ以外に国内の「ペット共生型高齢者施設」としてよくメディアに取り上げられているのは、神奈川県にある「特別養護老人ホームさくらの里 山科」です。
施設は犬と暮らせるユニットと猫と暮らせるユニットに分かれていて、ホームの庭はドッグランになっています。入居者が同伴で入居している犬・猫のほかに、ペットとの暮らしを高齢ゆえに諦めていた入居者のために保護犬や保護猫も高齢の子を中心に引き取っているのだそう。費用の詳細は残念ながら調べることができなかったのですが、気になる方は問い合わせてみると良いでしょう。
どうやって探せば良いの?「ペット共生型老人ホーム(高齢者施設)」①
たたでさえ条件に合った高齢者施設を探すのは困難な現在、ペット共生型で条件に合うところとなると更にハードルが上がります。では、どうやって探すのが良いのでしょうか。
ひとつは、ファイナンシャル・プランナーとして保険代理店で長年コンサルティングをしてきた私の経験から「保険の付帯サービス」をフル活用するという方法があります。
大同生命とT&Dフィナンシャル生命の「介護コンシェル」サービスは、全国のケアマネージャー9万人が登録するウェブサービス「ケアマネジメント・オンライン」や全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」を展開する株式会社インターネットインフィニティとサービスを提携し、無料で介護に関する相談に専門資格保有者が対応してくれるという画期的なサービスです。
全国16万の介護事業者から要望に応じた施設を紹介し、希望の施設見学も手配してくれます。
ただし、この「介護コンシェル」サービスを利用するには、大同生命やグループ会社のT&Dフィナンシャル生命の「介護・認知症に関する保険」に加入することが条件になります。気になる方は、保険会社や保険代理店に詳細を確認してみてください。
このサービスを利用し、ペット共生型の施設を紹介してもらったり、見学をしてみるのも一つの手だと思います。介護や認知症に関する保険は数多く販売されていますが、「保険の付帯サービス」は保険会社や保険商品によって異なりますのでご注意ください。保険は、保障内容や保険料ばかりに目が行きがちですが「付帯サービス」の面から検討してみるのもありだと思います。
(*大同生命やT&Dフィナンシャル生命の保険加入をおすすめするものではありません)
このサービスは一部の企業の福利厚生でも使用できるようです。ご自身のお勤め先の福利厚生もチェックしてみると良いでしょう。
どうやって探せば良いの?「ペット共生型老人ホーム(高齢者施設)」②
先ほどご紹介した方法は少々マニアックな方法です。
もう少し一般的な探し方としては、「老人ホーム探しの無料相談窓口」を活用する方法があります。例えば、「シニアの安心相談室」の「老人ホーム検索サービス」を使って探す方法などです。
すぐにでも探したい方は下記にサイトのリンクをしておきますので、希望条件を入力して検索してみてください。資料請求もできるので、情報収集のためにお手元に資料を取り寄せておくのも良いでしょう。また、このサイトは「施設の特徴から探す」の「ペット(犬・猫)と一緒に暮らせる老人ホーム特集」から検索すると、ペット共生型の高齢者施設が探しやすいのが特徴です。
「シニアのあんしん相談室 老人ホーム検索サービス」はこちら↓
また、施設の資料請求や介護についてのお悩み相談も無料でできるようです。
ペットとずっと一緒に暮らせる未来のために今できること
ペットと一緒に入居できたとしても、ペットと施設利用者との間にトラブルが起きてしまったら、せっかく入居できても暮らしにくくなってしまいます。
わが子同然の愛犬・愛猫が、時に高額訴訟の火種になることがあるのは事実です。相当の注意を払ってペットを管理していたとしても、飼い主が重い責任を負うことになってしまいます。
ペット共生型の老人ホームに入居する・しないに関わらず、「個人賠償責任」の補償は加入しておいたほうが良いでしょう。ペット保険には、ペットの高額訴訟に備えるため、個人賠償責任の補償が付加できる保険もあります。トラブルは意図せず突然降り掛かってくものです。万一の際には高額な慰謝料を支払わなければならないケースも多々ありますので、備えておくと良いでしょう。
少し話がずれますが「個人賠償責任」の補償は火災保険や自動車保険、自転車保険やその他ケガの保険などにも付帯されていることがあります。重複して加入しても意味がありません。むしろ重複すると勿体無いので、「個人賠償責任」の補償を加入検討する際には、加入中の保険に付帯されているかどうかを必ず確認するようにしてください。
また、自動車保険に付帯できる「弁護士(費用)特約」などには、自動車事故に限らず生活全般における訴訟などの問題で活用できるものもあります。そのような補償範囲の広い「弁護士費用特約」を付帯しておくと安心です。
加入する自動車保険によっては、自動車事故等による交通関連の訴訟のみが対象となる場合があります。自動車保険商品によって特約の補償範囲は異なりますので、確認してから付帯するようにしましょう。
また、40代50代の飼い主はペットとの老後を見据えたライフプランの設計を始めるべきです。
この世代は、子育てや親の介護などでもお金がかかる世代ですが、自身の老後のための準備もぼちぼち始めていかなければなりません。愛するペットも家族であり、わが子です。
わが子の未来のためにも、ご自身の将来設計を見据え、盤石なマネープランを立てるべきだと思います。
最後に
親が幼い子を残して亡くなってしまったら、残された子供の未来はどうなるのでしょうか。
それと同じような事態を招きかねないのが「飼い主の老いとペットの問題」です。
飼い主の身に何が起きても、愛犬・愛猫を路頭に迷わせない。そのためには情報収集とできるだけ早くからの備えが必要です。飼い主が突然亡くなってしまったり、介護施設の同伴入居が叶わなかったり、突如入院したりして、居場所を失ったペットが殺処分されてしまう悲劇を回避しなければなりません。
愛犬・愛猫の幸せは、飼い主次第です。
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